増刊 かわらや日記

巫夏希の日常

2018-05-19から1日間の記事一覧

英雄譚なんて、僕には似合わない。第9話①

「ところで、一つ気になるんですけれど」 リニックとレイニーは通路を歩いていた。 通路は迷路の如く張り巡らされており、レイニーの指示が無ければ迷子になってしまう程だった。 レイニーが居なかったら、と思うと少しぞっとしてしまうリニックであったが、…

英雄譚なんて、僕には似合わない。第8話②

「正確には、宇宙と言うよりはアースの周囲にある星々でしょうね」「?」「管理者はどんなものにも、修正プログラムを用意しておくものです。偉大なる戦いで散った五つの星々にはそれぞれ『鍵』があります。その鍵を使うことで、どんな願いをも叶えることが…

英雄譚なんて、僕には似合わない。第8話①

「えっ……?」「あなたねえ、さっきから聞いていれば、平和に暮らしたいだの、自分には関係ないだの! そんな関係ないわけないでしょうよ! あなたの生きる世界が、このままだと死滅しようとしているのに、そんな余裕な発言をよく出来るわね!」「ま、まあ、…

英雄譚なんて、僕には似合わない。第7話②

「そりゃあまあ……栄養がとれていれば良いんじゃないんですか。現に、あれに文句を言っている人間なんて居ないじゃないですか」「違うわ、違うのよ。何を考えているかあなたの考えを聞かせて欲しいけれど……、そんな栄養とエネルギーだけ摂取するような食事で…

英雄譚なんて、僕には似合わない。第7話①

「知恵の木の実は、地球の記憶をエネルギーに変換して使うことの出来る『伝説的法具』よね。私も使ったことがあるけれど、そんな難しく考えるものでもない。……ただ今は、世界から戦争が無くなったこともあって、どっちかといえば戦争をする暇が無くなったと…

英雄譚なんて、僕には似合わない。第6話②

「でも、結局神は……」「神はこの世界をとっくに見捨てているわ。この成長の見込めない世界をね」 メアリーははっきりと言い放った。 ワイングラスを揺らしつつ、さらに話を続ける。 顔には出ていないが、どうやら酔いつつあるらしい。「要するにね、神は世界…

英雄譚なんて、僕には似合わない。第6話①

「メアリー・ホープキンってあの……伝説の三人のうちの一人の……!」「そ。知ってるでしょ、それぐらいなら。あんな世界だけれど、救ったのは私たち三人だけ。けれど一番の功績者であるフルは行方不明になり、ルーシーも十年前に亡くなった。今や百年前の出来…